流通, 小売, エンターテインメント
本日のインタビューでは、田中様に現職企業の事業概要や方向性、弊社サービスのエグゼクティブコーチングをご利用頂いた忌憚ない感想、またセッションを通じて得られた成果などをお聞かせ頂くために、オフィスにご訪問させて頂きました。
- 志村
- 今日はお忙しいところ、貴重なお時間いただきましてどうもありがとうございます。
本日は 貴社事業や弊社サービスでご利用いただいたエグゼクティブコーチングに関して、ご意見や感想など伺えればと思います、どうぞよろしくお願いいたします。
- 田中様
- どうぞ宜しくお願い致します。
会社概要
- 志村
- 最初のご質問ですが、田中様が現在所属されていらっしゃる事業について伺えますでしょうか。
- 田中様
-
私は今、ラオックスのアウトバウンド事業本部の責任者をしております。アウトバウンド事業本部自体は、21年4月にできた新設の本部になります。
「アウトバウンド」という事業本部の名前には 、日本にはまだ海外に知られていない、たくさんのいいものが、いいコンテンツがあって、それらをどんどん海外に拡げる役割を担っていこうという想いがあります。
事業で言うと、元々「ラオックスといえばインバウンド」といわれたように免税事業を主とした時代が長かったのですが 、それは人の往来を前提とした、特に中国を中心としたお客様に海外から来て頂いて 国内にある総合免税品店で、お買い物をして頂くといったモデルでした。
一方、アウトバウンド事業本部は、人の往来を前提としない新たなビジネスモデルで、コロナ禍でも力強く成長を続ける中国や東南アジア市場にて日本製品の展開を加速化させる、つまり、当社がアジアの架け橋となり、日本のメーカー様の現地リテールビジネスをご支援させていただくことを目的としています。
これまで、大企業も含め、多くの取引先様の経営幹部の方々とディスカッションをさせていただく中で、お困りごとや課題が類型化できることに気づきました。例えば、日本を代表する大企業様の事例ですが、中国で自社の商流をお持ちで数十年ビジネスをやっている、ただ、中国は広大なので自分達で手が届かない地域へ、ラオックスが有する中国の商流を補完的に使っているケースなどがございます。
または、中国にかつて進出していたが、その時はうまく行かず撤退していた。再度進出するにあたりラオックスと連携するようなケース、もしくは新たな事業成長を求めて中国市場に出たいという考えがあって、ラオックスと連携するなどがございます。
ラオックスは中国市場でオンライン・オンラインの店舗網を持ち、加えて、日本企業としての現地での知名度も高いです。また、現地には強固なネットワークを有しておりますので、こうした当社のリソースをうまく活用して、日本の取引先様の市場展開を力強く支援する事は可能なのではないかと思っております。
- 志村
- ありがとうございます。日本企業のアライアンスパートナーとして積極的に展開されているという事ですね。
- 田中様
- そうですね、弊社は、基本的には流通・小売という業種に属しておりますので、かつては商品を仕入れて中国市場で販売させて頂く、そういった形になっておりました。けれども今、ラオックスには、中国のリテールビジネスに精通する現地法人やHyLinkという中国最大のデジタル広告代理店と日本企業の支援を行う合弁会社も設立し、コンサルティング、ソリューションを一層ご提供していくなど、課題解決に対する価値の質をあげてカバーできる領域も増やしていくという取り組みをしている所です。
- 志村
- なるほど、その中で扱っているトレンドアイテムなどはどういったものがございますか。
- 田中様
- 元々インバウンドの時代は、美容家電とか化粧品、スキンケア品が売れ筋でした。ただその領域に留まらず、日本には優れた商品が沢山ありますので、例えば日本の食品やお酒など、今後どんどん中国や東南アジアに展開していければと考えております。
また、日本ではすでにブランドとして認知されているけれども、海外はこれからといった場合や、まだ海外でそのブランドの価値が伝わりきれていない時に、中国市場でどのように伝えていけば良いのか、というような点に関して我々が提供できるサービスの余地があると考えております。
エグゼクティブコーチングについて
- 志村
- ありがとうございます。
それでは次のご質問です、弊社のエグゼクティブコーチングを受けられた背景やその時の課題感などを伺えますでしょうか。
- 田中様
- 当時は、私はインバウンド事業の責任者をしておりまして、新コンセプト店のグランドオープンの準備をしていました。
私自身は、ラオックス入社前は、リテールの経験が全く無く、その一方で社内には長くリテール事業を経験しているメンバーが沢山いる中で、どのようにチームを統率していくのべきか模索していました。そのようなタイミングだったので、志村さんとセッションをさせて頂いて、改めて自分を客観的に見つめ直す機会を得られればと考えたのが背景です。
- 志村
- なるほど。そのエグゼクティブコーチングのセッションとしてはどのようなものだったか、今一度伺えますでしょうか
- 田中様
- 主に、「マネジメントスタイル」というテーマでセッションを行いました。私自身、自分のマネジメントスタイルがどうだったかと言うと、トップダウンの時とボトムアップでやる時と、その2つを意図的に使い分けていました。
当時のメンバーは指示が出たことは必ずやる、やりきる一方で、自律的に業務遂行するための支援の必要性も感じていました。その辺を実現するために、自分のマネジメント手法をどう対応すれば良いのかという課題がありました。
- 志村
- 組織をマネジメントするうえで、どのようにエンパワーメントを引き出していくかとの問題と理解致しました。
- 田中様
- はい。その通りです
- 志村
- セッションのプロセス設計は、どのようなものでしたでしょうか
- 田中様
- セッションは2週間に1回、毎回45分間で、メインは電話で数回は対面で行いました。私の事前準備としては、日々の業務で気づいた事をメモにして、その中から重要な深堀テーマを決めてセッションにぶつけてみました
時間的にもコンパクトで、志村さんとテンポよく対話できたことで、解決策はAなのか、Bなのか、はたまたCがあるのか、取るべき選択肢やアクションがセッションで明確になることがありました。また一方、Bが最善策であっても、現状に即して一旦、選択肢のCを取るといったような事で課題がクリアになっていくことがしばしばあり、有益でした。
- 志村
- セッションをする中で、実務において今までにない選択肢や新たな選択肢を見つける手段として活用頂けたと理解いたしました。
- 田中様
- そうですね、自分一人で考えると選択肢が限られがちなのですが、セッションでの視点を変える問いにより、新たな選択肢や気づきが得られたことで、その辺のいろんな角度の視点、視座を意図的に上下に動かすことができたのだと思います。
普段、実務に入り込んでいると、ズームイン、ズームアウトの視点で物事が見えなくなりがちですけど、2週間に1回のセッションで一度立ち止まって冷静に振り返り、次の2週間の活動に活かすことができ、非常に良い機会でした。
- 志村
- セッションを受けられた以降、ご自身または組織で感じられた変化などあればお聞かせ頂けますでしょうか。
- 田中様
- チームメンバーに方向性を示したあとは、各自が主体的に取り組む場面は増えてきたと感じます。
少しの工夫、行動の差が蓄積すると大きな違いになりますので、自分で考え、自分で動かすといった自律的な姿勢が、組織全体の成長に繋がると考えています。
- 志村
- ありがとうございます、コーチングセッション全体を通した感想は如何でしょうか。
- 田中様
- 丁度今、コロナの影響もありますが、事業の変革期にあるような企業の経営者、経営幹部の方には非常に有益だと思います。先程のズームイン、ズームアウトの話ではないですが、いろいろな視点、新しい枠組みなどの話も、セッションの中で出てくるという事も沢山ありますので、かなりおすすめです。
最後に一言
- 志村
- 最後に一言頂けますでしょうか
- 田中様
- ラオックスは、21年3月に新社長に飯田が就任し、第三創業期に入っており、新しい事業モデルの確立に努めているところでございます。これまでの第二創業期は、インバウンド向け総合免税品店という事業モデルを構築してきましたが、次のビジネスモデルは、日本企業の課題と正面から向き合う、中国・アジア圏へのアウトバウンド事業が成長を加速していくところになるだろうと思っています。
ダイバーシティー&インクルージョンで言いますと、もともと、ラオックスは、多国籍のメンバーが働いており、そういった意味では多様性がある会社だと思います。多様性を次の成長に繋げるにあたり、組織マネジメントが重要になってきますので、その点でもコーチングセッションは良い機会になったと思います。
- 志村
- 現在は、事業構造の変革中という事ですね。
- 田中様
- そうですね
- 志村
- その点でもコーチングは、新たな視点や多様性という観点で、アプローチとしては現在の事業フェーズにあっていると考えても宜しいでしょうか。
- 田中様
- 非常に良いと思います、組織を統制することも大事ですが、一方で、メンバーがある程度自由度もって、自ら考え動いていく事も大切ですので、どのような手法を取るべきか、そういった意味でもセッションを通じて学ぶことは有益だなと思っています。
- 志村
- 今日はお忙しいところ、貴重なお時間頂きありがとうございました
プロフィール
ラオックス株式会社 執行役員
田中 寿弥様
慶応義塾大学経済学部卒業
タイ・タマサート大学Mini MBAコース修了
株式会社東京銀行(現 三菱UFJ銀行)、株式会社博報堂を経て、株式会社ミスミにて社長補佐、タイ事業責任者など歴任、その後、Oakキャピタルインベストメント株式会社にて取締役就任、2020年7月ラオックス株式会社執行役員就任
タイ・タマサート大学Mini MBAコース修了
株式会社東京銀行(現 三菱UFJ銀行)、株式会社博報堂を経て、株式会社ミスミにて社長補佐、タイ事業責任者など歴任、その後、Oakキャピタルインベストメント株式会社にて取締役就任、2020年7月ラオックス株式会社執行役員就任